龍神のとりこ
「いいか、俺から」

「『離れるな。』でしょ?」

コハクはふっと微笑んだ。「そうだ。離れるな。」

ふわっと大きな腕の中に抱きしめられた。



親鳥のようにトーコを保護する。

いつのまにか、コハクにはトーコが愛しくて守るべき対象になっていた。


薄い緑色の瞳がトーコを覗き込む。

擦りつきそうなくらい頬が近づく。

「!?、、え、、っと、コハクがいなきゃ
一晩も過ごせそうにないもんね、この森。」

トーコはぱっとその腕から身体を離した。

心臓が飛び出そうなくらい高鳴っている。



「トーコ!」


振り返った顔が真っ赤だ。

「そっちじゃなくて、こっち。」


くすっと笑ってコハクはトーコを見つめた。

『可愛い。』



トーコといるだけで、コハクの心に穏やかさが広がっていくようだった。
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