あなたのヒロインではないけれど



さて、と。おばあちゃんの為に朝ごはんを作らなきゃ。

貯蔵庫を見ると、新鮮な野菜がたくさんある。お味噌をベースにした雑炊でも作ろう、と野菜を細かく刻み、鶏肉と一緒に煮込んだ。


クツクツと煮込むうちに、お姉ちゃんとお兄ちゃんがやって来て、いい匂いと鼻を動かす。

普段はオシャレな二人だけど、さすがに農作業をするから上下スエットとかトレーニングウェアを着てスニーカーを履いてる。手ぬぐいを首に巻く美女ってのもなかなかないかも……。


朝ごはんの前に一仕事、とお姉ちゃんはお兄ちゃんを畑に引っ張っていった。


小柄なせいか私は力仕事が合ってないから、もっぱらお家の中の用事を受け持ってる。今も、貯まった洗濯物を洗濯機に入れて、乾いたものを畳み各部屋を軽く掃除をしていった。


朝食ができた後も2~3日は持つお惣菜を作りおきしておく。おばあちゃんは血圧が高めだから、塩分には気を使っておかないと。


あれこれ仕事をしているとあっという間に8時になって、作った雑炊を慌てて温め直す。おかずにお惣菜をお皿に盛り、おばあちゃんの寝てる部屋にテーブルを運び入れてみんなで朝食を取った。


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