あなたのヒロインではないけれど





「急にごめんなさいね」

「い……いえ」


SS社の近くにあるカフェにゆみ先輩と二人で入り、向かい合わせに座る。


周りを気にした私に配慮してくれたのか、人目につきにくい奥の席を選んでくれた。


私はミルクティー、ゆみ先輩はアメリカンで。オーダーしたものが来るまで、なぜか先輩は頬杖をついてじっと私を見てる。


私はと言えば見られっぱなしは恥ずかしくて、意味もなくスマホに付けたストラップを弄っていた。


「そのストラップ、かわいらしいわね。手作り?」

「あ……はい」

「そう! 器用なのね……ちょっと見せてもらっていい?」


憧れのゆみ先輩にお願いされたなら、断るはずがなくて。私は直ぐにスマホから外したストラップを渡した。


「ふわふわして気持ちいいし、すごく癒される。このお惚けキャラはオリジナル?三毛猫みたいだけど」

「あ、はい……近所にいるネコちゃんがそんな顔をしているので」

「え~本当に? 見たいわ!」


突然、ゆみ先輩は席から立ち上がる。


「え?」

「あなたの家の近所にいるのね、それじゃあ、Let's go!」


ゆみ先輩は来たコーヒーを直ぐに飲みほすと、代金をあっという間に済ませ私の手を引いてお店を出る。


そして私を拉致同然で車に押し込むと、車を出してから「そういえば住所どこ?」と訊いて来ました……。


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