終わらない英雄の記憶
襲いかかろうと背後を振り向くが、そこにはもうジゼン国王の姿はなかった。



「ち、逃げられたか……」



フィンは大きな舌打ちをして、太刀をしまう。



「や、やったぁぁあああ!!」



城の者も、避難した国民たちもみんなが勝利を噛み締めていた。



戦地となった商店街は、荒地になっていてもみなが喜んだ。



ホッと、一息つくと忘れていた伝達を思い出す。



伝達を伝えようと、サンダー王子の姿を探すがここにはいなかった。



多分あそこにいる、と予想した私は、王に軽く挨拶し走り出した。



「サンダー第一王子。伝達をお伝えに参りました」
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