終わらない英雄の記憶
私は仕事を口実に、フィンの部屋から出た。



そして今は長い長い真っ赤な廊下を、王の部屋に向かって歩いている。



『まさかだと思うが、このままあいつの部屋へ行くのか?』



「挨拶代わりに、一発お節介を焼いてくるよ」



『こんなやり取り、前にもした気がするのだが…』



「したよ。多分」



面倒臭い王族の親子に、喝を入れてくる。



城の中でこんな事になっていたら、国民を守るなんてもってのほか。



分かり合えてないんだもん。



信用し合ってないんだもん。
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