恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
つかみどころがなくて。


突然、居なくなって。


突然、帰って来て。


いつもテキトーで。


嘘が得意で。


だけど、誠実な人で。


潤一の見ている風景には1ミリもブレがなくて。


自由気ままで。


真っ直ぐで。


いつも、あたしを振り回した。


だけど。


あたしは、本当に。


自由気ままに真っ直ぐ生きている潤一が。


「好きだったっ……」


あたしはその雑誌を胸に抱き締めて、泣き崩れた。


「好き……だったの……」


やっと、潤一の死を受け入れた瞬間だった。


床に泣き崩れ、嗚咽を漏らしながら思った。


潤一には適わない。


潤一はちゃんと知っていたんだ。


それを知っているうえで、それでも、こんなあたしにプロポーズをしてくれたんだ。


潤一。


潤一には適わないよ。


今でも、あたしが焦がれてやまないものを、潤一は分かっていたんだね。


今でも、この目に焼き付いて離れないものを。


潤一は、全て、分かっていたんだよね。


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