恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
常に気を張っていなければ、簡単にくじけてしまいそうだった。


だからとにかく忙しい日々を過ごした。


唯一の楽しみは暖房の効いた部屋でロイズのチョコを食べながら、福岡で奮闘する小春とメールで近況を報告し合ったり、相談し合うことだった。


時々、堀北さんからもメールが届いた。


彼は今、何やら一大プロジェクトを計画し、実現に向けて奮闘中らしい。


そのメールが届いたのは、さらさらの粉雪が札幌の街を白く染めた、音のない静かな夜だった。



2/18 23:30
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From 堀北 広大
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Sb 久しぶりです
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元気でやってますか?

北海道にはなれましたか?

僕は今、大学時代の友人と一大プロジェクトを計画し、走り回っています。

まだ詳しい内容は言えないけど、必ず成功させて連絡します。

そっちは毎日雪で大変だろうけど、風邪を引かないように。

またメールします

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小春にも同じ内容のメールが届いたらしい。


一大プロジェクトって何だろうね、とあたしたちは電話で笑い合った。


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