恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
「なるほど」と堀北さんが苦笑いした。
「泣いても笑っても人の生なんて一度切りなんだからさ。いつ死んでも後悔しないように、要領よく生きないと」
「世界を渡り歩いてる人は考えることまでスケールが違うな。僕にはそういう考え方できないですよ」
「私もです。やっぱり堅実に。いつかは結婚して子供が産まれて、的な。平凡で幸せな人生に憧れますけど」
ね、と顔を合わせた小春と堀北さんを、榎本さんは「それ、逆に無理」と笑った。
「僕はアレだ。時間も金も他人に使うなんてできないな。もったいなくて」
「えーっ! 酷い! 榎本さんて優しそうな顔して冷血人間」
酔っ払った勢いで大ブーイングする小春の隣で、あたしは「果たしてそうだろうか」と考えながらカクテルを啜った。
時間もお金も他人には使えない、とさらっと言ってのけた彼に羨ましさを感じた。
斬新だった。
今までのあたしの周りには絶対いないタイプだった。
誰もが時間に支配されながら毎月の給料でやりくりしているこの時代に、逆らうような生き方をする榎本潤一という人間が。
とても新鮮で斬新で、奇抜に見えた。
「泣いても笑っても人の生なんて一度切りなんだからさ。いつ死んでも後悔しないように、要領よく生きないと」
「世界を渡り歩いてる人は考えることまでスケールが違うな。僕にはそういう考え方できないですよ」
「私もです。やっぱり堅実に。いつかは結婚して子供が産まれて、的な。平凡で幸せな人生に憧れますけど」
ね、と顔を合わせた小春と堀北さんを、榎本さんは「それ、逆に無理」と笑った。
「僕はアレだ。時間も金も他人に使うなんてできないな。もったいなくて」
「えーっ! 酷い! 榎本さんて優しそうな顔して冷血人間」
酔っ払った勢いで大ブーイングする小春の隣で、あたしは「果たしてそうだろうか」と考えながらカクテルを啜った。
時間もお金も他人には使えない、とさらっと言ってのけた彼に羨ましさを感じた。
斬新だった。
今までのあたしの周りには絶対いないタイプだった。
誰もが時間に支配されながら毎月の給料でやりくりしているこの時代に、逆らうような生き方をする榎本潤一という人間が。
とても新鮮で斬新で、奇抜に見えた。