蝉鳴く季節に…
長距離がすごくて、顔もよくて、人気のある杉山夏生。


入学してから、一度も登校してない杉山夏生。






その時の私は、自分だけが知らない事に関しての悔しさ半分、好奇心半分だったと思う。

ただそれだけで、深くは考えていなかったんだ。


普通なら、面倒臭いって嫌がっていたはずだから。


だから、ただの好奇心だったんだ。





「先生、荷物を届ければいいんですよね?私行きます」






どうせ、帰宅途中のとこだし。













今思えばあの時、行かないと言っていたら、私は彼と出会う事は無かった。



そうしたら、私は今、こうして蝉の声に耳を傾ける事も無かったかもしれない。










ねぇ、杉山くん。



私はね、こうして蝉の声に耳を傾けている自分自身を愛する事ができるのは、あなたのおかげだって、今でも思っているんだよ。


あなたに会えたから、今の私が在るんだよ?






杉山くんは、私に自信をくれたんだよね。

たった三週間という時間の中で、一生分の学びをくれた。









あなたはいつも前向きだったね。



眩しいくらいに。











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