蝉鳴く季節に…
どうすればいいかな?


私は杉山くんに、一体何ができるんだろう。

何をすればいいんだろう。






私が天才の医者なら良かったのに。

私にお金があったら、外国の偉い先生に診てもらえるのに。

私が神様なら、杉山くんの身体から病気を無くしてあげられるのに。







私、何にも無いの。

してあげたい事はたくさんなのに、できないの!






私、自分でジュースを開ければ良かったのかな?

それとも私も、プルタブ引いて硬いねって、笑えば良かったのかな?



どうすれば良かったのかな?







…わかんない。


そんなの…わかんないよっ!






ただ、今は泣きたい。


杉山くんに聞かれない様に、空が私の泣き声を吸い取ってくれたらいい。

もっと蝉が鳴けばいいのに。













ねぇ、杉山くん。


あの時、私が病室を飛び出して戻るまで、何分だったかな?



多分、30分くらいだったと思う。





でもあなたは、不安そうな顔をしていたね。

戻った私を見て、安心した様に笑って、震える腕で抱きしめてくれたんだよね。








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