では、同居でお願いします
清潔なバスマットを準備し、タオルを取り出しておく。

家事は嫌いではない。

綺麗に整え掃除さえしておけば、裕哉の部屋は広いし調度も一流なので快適だし、言うことはない。
セキュリティーの面でもボロアパートに女一人で住むよりずっと安心だ。

「でも!」

キッと顔を上げて鏡の中の自分に向きあう。

「何か納得いかない」

それが何なのか、自分でもわからない。

ただ正体のわからないモヤモヤが胸の中に渦巻いている。
家政婦扱いがイヤなのか、それとも裕哉のダメダメさがイヤなのか、裕哉自身がイヤなのか。

(ううん、裕ちゃんが嫌いなわけじゃない)

むしろ……。

そっと瞼を閉じて視界から自分の顔を消す。

(これ以上は考えてはいけないこと。社員が社長に対して抱く感情じゃない。従兄弟に対して考えてはいけないこと)

「ちゃんとわかってるよね?」

目を開けて真っ直ぐに自分に問いかける。

ゆっくりと頷いてから、彼のいるリビングへと戻った。
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