俺と結婚しろよ!






「咲良の仲間には、悪いことしたな」




マンションのエレベーターに乗りながら、賢ちゃんは言う。

そんな賢ちゃんに、



「え?」



思わず聞き返す。

すると、賢ちゃんは少し複雑な顔をする。






「あのドラムの男、俺のこと嫌いだろ」



「え!?」




びっくりする。

そして、とっさに言った。





「悠真、賢ちゃんのこと、すごく尊敬してた。

あんなドラマーがいたら、メンバーは安心出来るって。

神だって!!」





そう言いつつも、ドキドキしてしまう。

昨日の演奏を思い出したから。

あんなに気分が高揚したのは初めて。

鳥肌がたって、Fの世界に引き込まれて。




< 126 / 451 >

この作品をシェア

pagetop