俺と結婚しろよ!
賢ちゃんは車を降り、助手席のドアを開ける。
やっぱり女慣れしているような、スマートな行動。
だけど、やっぱりときめいてしまうあたし。
賢ちゃんは、こんなあたしの手を握り、あたしの体はやっぱり戦慄する。
あたし、賢ちゃんが好きだ。
すごくすごく。
賢ちゃん、さっきの言葉、信じていいの?
「連絡しなかったのは……悪ぃ」
賢ちゃんは静かに言う。
「俺、本当にマメじゃねぇんだ。
それに、咲良も忙しいんだろうなって思ってしまって」
「うん」
「でも、これからはちゃんと連絡する。
……うぜぇくらいする」
「……うん!」
その言葉が嬉しい。
決して甘いことを言っている訳ではないけど、ドキドキが止まらない。
身体が甘く痺れて、胸が痛い。