俺と結婚しろよ!





だけど……



待てよ。

あたしが来ていても、おかしくない。

だって、悠真と大輝もいるから。

あたしと賢ちゃんが怪しい関係だなんて思いもよらない。

もしかして、賢ちゃん、それも見越したのかな。

それとも……







あたしが色んな推測をしていると……

会場に流れる音楽が変わる。




ヤバい。

もう始まるの?

緊張してきた。

心臓が止まりそうだよ。







賢ちゃん、今、賢ちゃんは何してるの?

何を考えてるの?

あたしのこと、考えてる?






会場が暗くなる。

大きくなる拍手の中で、あたしの鼓動のボリュームも最大になる。





そして……




その音が鳴り響いた時、あたしの身体の中を稲妻が駆け巡ったんだ。

稲妻はあたしの脳を焼き尽くし、呼吸を荒くし、心を掴んだ。






賢ちゃんは……




天才だ。




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