俺と結婚しろよ!







「咲良ちゃん!

頼みがあるんだよぉ」




蒼さんはそう言って、あたしに数枚の紙を渡した。

それを見ると、かなり汚い文字で何かが殴り書きしてあって、文字の下にはギターのコードらしきものがある。

目が点になる。





「明後日までに、これ出来ない?

ギターは適当でいいよ」




やっぱりこれ、譜面なのか。

歌詞とメロディーとコードしかなくて、ドラムもベースもリードギターも見当たらない。

もしかして、Fってこんなふざけた譜面で練習してるの?

これであの演奏が出来るの?

どこまで天才的なんだろう。






だけど……






「これ、遊びだからな」




賢ちゃんが渋々あたしに言う。




「Fじゃねぇからな」



「え?」



「ふとももフェチだからな」



「はぁ?」





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