俺と結婚しろよ!
部屋の中に再び静寂が訪れる。
すごくすごく気まずい。
あたしは手をぎゅっと握り、必死で祈った。
どうか、賢ちゃんと離されませんように。
週刊誌の記事は、削除されますように!
だけど、きっと現実は上手くいかないのだろう。
うすうす気付いていた。
そんな中……
「森井さん!
咲良が勝手にライブに出たことは、いけないと思います。
でも、玄さんと交際するのは、いけないことですか?」
なんと、賢ちゃんのことが大嫌いだと思われる悠真が、そんなことを言う。
あたしは、隣に座る悠真をじっと見ていた。
森井さんは何も言わず、いけないだろうという視線を悠真に送る。
だけど、悠真も負けない。
「咲良も二十四歳です。
恋するなというほうが、酷いです。
実際、次の新曲も、玄さんがいたから作れたようなものです」