俺と結婚しろよ!
部屋に静寂が降りた。
玄さんは煙草の煙をゆっくり吐く。
苦くて白い煙が渦巻いた。
そして……
「彼女?
……めんどくせぇ」
その言葉に耳を疑う。
「彼女とか好きとか分かんねぇ。
それに、報道されると面倒なんだよな」
何言ってんの、この人。
だってあたしたち……
「お互いの快楽のために来たんじゃねぇの?
お前がそういうつもりならヤらねぇ、帰れ」
その言葉は、あたしの心をひどく傷つけた。
あたし、初めてだったのに。
初めてを玄さんに捧げるつもりだったのに。
なのに、心を滅茶苦茶に踏みにじられた。
あたしは玄さんを睨み、ホテルを飛び出していた……