俺と結婚しろよ!
だけど……
「F、やっぱりすごかったね」
大輝の言葉でビクッとした。
そして、胸が熱くなる。
F。
そのグループ名を聞くだけで、あの滅茶苦茶な楽屋の中が思い浮かぶ。
それだけじゃない。
あの素晴らしい演奏も、賢ちゃんの優しい笑顔も。
あたし、完全にF中毒になっている。
「……咲良?」
名前を呼ばれて我に返った。
あたし、こんな時までもFのことばかり考えている。
これからもずっと考えるんだろうな。
素敵な演奏と、素敵な人たち……。