俺と結婚しろよ!
「遅かったねぇ、賢一!」
中から騒がしい声が聞こえてくる。
続いて、
「ぎゃぁぁあ!」
奇声。
この高級な家に似つかない。
賢ちゃんは靴を脱ぎ、お洒落な廊下を歩きながら言う。
「おいおい、何してんだよ」
あたしはおどおどしながら、賢ちゃんの後に続いた。
そして、賢ちゃんが突き当たりの扉を開けると……
グチャッ……
視界に白いものが飛び散った。
「え……」
驚くあたし。
あたしには、何も被害がなかったけど……
あたしの目の前にいる賢ちゃんからは、白い生クリームがポタポタと垂れていて。
それが大理石の床にを汚していた。