俺と結婚しろよ!
「優弥、蒼が可哀想じゃん」
そう言う慎吾さんは、蒼さんのほうを見もしない。
……テキトーだ。
そして、
「そうだよ。
俺たち、久しぶりに頑張っただろ?」
賢ちゃんが生クリームを拭きながら、顔を上げる。
その顔は、まだ生クリームで真っ白だ。
「なにが頑張った、だ」
優弥さんは鼻で笑う。
「言いたいことはたくさんあるが……
咲良ちゃんがいるからまたにする」
そっか。
あたし、やっぱり邪魔なのかな?
そうだよね。
あたしがFの中にいるなんて、おかしいよね。
帰らなきゃと思った。
賢ちゃんは歓迎してくれるけど、みんなが歓迎しているわけではない。