ライラックの蓋棺
再び巡り逢う日を祈り。


あめがふるさむいよる。



わたしの大好きなおおきな竜は、



わたしをすてました。



「ねぇ、でぃら」



「……なんだ」



「あしたは、どうしてくるのかな」



「そんなこと、……聞いてどうするんだ」



いまおもえば、ドラゴンは、ディラは、



すこしどうようしていたのかもしれない。



「ううん、……べつに」



「ほら、もう遅い。……早く寝ろ。」



「うん、おやすみ」



またあした、というまもなくわたしはねむりについてしまった。



……それが、最後の言葉となるとは知らずに。

< 1 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop