フィンセはナンバー1
別れたことー」

 あたしが言うと、りく君は驚いた顔であたしに目を向けた。

「別れたって……。何だー、そうだったのかぁー」


 りく君は、急に力が抜けたみたいに、地面にへなへなと、座り込んでしまった。

「り、りく君ー!?」

 あたしは、驚いてりく君の身体に手を添えた。

「琴音が、あいつといると、妬きすぎて、いつも俺の心臓がもちそうもなかったんだー」

「りく君……」

「でも、良かった……」

 また、りく君はあたしを優しく抱き締めた。

「来年は、俺も18になるし、琴音……また、怖い思いするかも知れないけど、俺のお嫁さんになってくれないかなー?」

 りく君は、恥ずかしそうにそう言った。

「はい!」

 あたしは、大きく返事をする。


 夜空に花火が舞い散る中、あたしとりく君は、そっとキスをした。
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