甘いささやきは社長室で

私を全部あげます








私は現在、非常に面倒臭い状況に遭遇している。



「……あの、社長?桐生社長、聞いてます?」

「……」




いくら呼びかけても、彼は無視。

仕事後にやって来た桐生社長の住むマンションのリビングで、桐生社長はソファの端で膝をくんだ形のままそっぽを向いてふてくされているのだ。

それをそのまま放置して帰ることも出来ず、私は困った顔で彼の右隣に腰をおろした。



いつでもマイペースで、めったに怒ったりしない彼がこんなにも不機嫌になる理由。

それは、今日の昼間にさかのぼる。






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