あなただけを、愛してる。
ふとスマホを見ると不在着信が一件入っていた。
"社長”
社長から電話連絡が入っていたことなんてなかったから少し戸惑った。
どんな用件か気になりつつ急いで折り返しの連絡をいれた。
「…もしもし。」
「唯子か?」
彼の電話越しの声。
声を聴くだけでもドキドキしてしまう。
「ごめんな、こんな時間に。」
時計を見ると、朝の6時。
何にも気にしていなかったけど早くに目が覚めた。
「いえ、大丈夫です。社長から電話なんて珍しいですね。」
少しだけ笑ってそういった。
「今から、会えない?」
予想していなかった言葉に戸惑う。
こんな早朝に会うなんて会社以外あり得ない。
「…いいですよ。」
でも拒否なんてできなくて。
「今から行く。」
彼が来てくれるということだけで胸が躍ってしまう。