Tokyo Dark Side
4階まである雑居ビル。

しかし最上階まで上がっても、何処にも美奈の姿はなかった。

残されていた白衣だけが、彼女がここにいた事を物語る。

やはり彼女は、象男によってマハルーチカの生贄に捧げられたのか。

本格的に嫌な予感を感じ始めた矢先。

「っ!」

屋上に上がった倉本は、その姿を見つけた。

赤いワンピース姿のまま、倒れている美奈の姿。

後ろ手に縛られ、足首まで拘束されている。

床に描かれた奇怪な魔法陣の上に寝かされているものの、倉本が駆け寄ると、彼女にはしっかりと息があった。

「美奈さん、美奈さん大丈夫か!しっかりしろ!」

彼女の拘束を解き、倉本は体を揺さぶる。

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