天使の優しい心
 佳代ちゃんがいなくなってから二時間後、仕事を終えた両親が病室に入ってきた。
「柳ー!大丈夫か!?今日はどこも怪我はしてないか!?」
私の父。一人っ子の私を昔から何かあると必要以上に心配する。しかし、病気が発覚してからはそれはハードに増した。それを止めてくれる人が…
「パーパ。柳が困ってるでしょう。もしそれ以上柳に負担掛させたら…」
私の母は父より主導権を握っていて今にも襲いかかってきそうな父の前で手の骨をボキボキとならす。
「だ、大丈夫だよママ。パパ、今日も怪我はしてないよ。私はそこまでドジらないから心配しないで。」
父は母の脅しに脅えながらも私からの言葉を聞いて安堵したようだ。
「それよりパパ、ママ。話があるんだけどいいかな?あのね、今度クラスの子達でキャンプがあるんだけど行ってもいい?」
母は佳代ちゃんが持ってきてくれた花束を花瓶に入れていた。私の話に驚いて危うく花瓶を落としそうになった。
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