無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

  ***



 常務室を出ると、

 まっすぐ自分の席に向かった鈴木は、秘書室の自分のスペースに辿り着く前に同期の女性秘書に声をかけられた。



「あの……鈴木さん」


「はい?」



「実はあの……

 バレンタインですが……」



 同期であるのに敬語を使い、言い難そうに彼女が切り出した話はバレンタインのことだった。



「去年同様です

 常務は、社内の義理チョコは受け取りません」
< 107 / 316 >

この作品をシェア

pagetop