無垢なメイドはクールな彼に溺愛される



 コンコン

「鈴木です」

「はい」


「失礼します

 蘭々が挨拶に来ました」





 それからほどなくして、コンコンと扉を叩く音がした。



 西園寺洸自らが、勢いよく扉を開けると――



「お帰り蘭々」



 孤高の女王が現れた――。






――あの日……



 風に舞う桜の花弁に気を取られそのまま目で追うと、

 その花弁は一人の女子学生の髪に落ちた。


 その髪もまた風に煽られ、空を見上げる彼女の横顔が露わになった。



 青扇学園の渡り廊下……、


   鈴木翼は息を呑んだ。

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