無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 そしてちょうどその頃、

 ユキと大石の脇をリムジンが通りかかったが、

 リムジンが珍しい場所ではないので、ユキはリムジンに目を向けることもなかった。



 だが、そのリムジンの中にいたのは……



「あら、ユキちゃん

 姿が見えないと思ったら、お出かけしてたのね

 いいわねぇ、綺麗な子が綺麗な子と楽しそうに」



 西園寺夫人の言葉に釣られてチラリと外を見た鈴木の瞳が、

 ほんの一瞬ハッとしたように見開いた。



 勘の鋭い西園寺洸が鈴木のその様子に目を止めていれば、

 或いは何かに気づいたかもしれないが、

 洸もまた歩く二人を見ていて鈴木の変化に気づかなかった。
< 131 / 316 >

この作品をシェア

pagetop