無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
「あなたたちはどうなの?」
「今、結婚したところで家庭を顧みることができずに
速攻離婚されてしまうでしょうね」
他人事のようにそう言う我が息子を見て、西園寺夫人は溜め息をついた。
「やれやれ、しょうがないわねぇ
翼くんはどうなの? そういう人はいないの?」
「ええ、残念ながら
今は仕事を何よりも優先したいので、なかなか……」
「遥人くんはしっかり真優ちゃんを捕まえたっていうのに
あなたたちってば、
そんなんじゃだめよ、恋をしなさい 恋を」
その後も続いた夫人の説教に、時々微笑んで答えながら、
鈴木は青木邸の様子を思い出していた。
―― 玄関へと続く路を縁取っていた花壇。
まだ花は付けていないが、
あの葉はアネモネだった……