無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
「営業の倉田の件はどうなったの?」
珈琲がコポコポと落ちていくさまを見つめながら、
西園寺常務は思い出したように聞いてきた。
常務と鈴木が抱える案件には、『倉田の件』のように、時には文書にならない物もある。
入社五年目の営業部の倉田という男は、精力的に仕事をこなし営業マンとしては優秀な男だった。
取引先との評判もいい。
だが彼の人間性には少し問題があるかもしれず、その点について鈴木は一部女子社員と共に調査中だった。
事が明るみになるきっかけは、飲み会の場で彼の相手となった派遣社員の女性同士がいがみ合いの喧嘩になったことだった。
彼女たちが喧嘩になるまでは、誰もそのことに気づいていなかったが、
彼女たちはその二人とも倉田と関係があったのである。