無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 そうと知るやいなや、入れ代わり立ち代わり次々と鈴木の周りにやって来た。


 相談すればわかりやすく的確なアドバイスをしてくれる。

 たとえその内容が仕事に関係ないくだらないことであっても彼は決して嫌そうな顔をすることはない。


 人を選ばず誰も拒まず彼の門戸は冴えわたる青空のように大きく開かれている。




 本人がとう思っているかは別として、

周りの者からすると鈴木とはそういう人物だった。



 かといって鈴木が忙しい事は誰も知っている事なので、むやみに相談を持ちかけることはないし、

 普段は西園寺常務に対する遠慮もあり、そう易々と声を掛けられない。



 でも常務が早退した今は違う。

 鬼の居ぬ間に洗濯とばかりに鈴木に寄って来た。


 急ぎの仕事があるわけではないが、午後の一時から二時間ほどそんなことが続いたことにうんざりしてきた鈴木は、

ついに席を立った。
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