無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 孤高の女王らしくそう言って、蘭々は赤ワインのグラスに手を伸ばした。

「生徒会長、あなたをフルなんてその女の子はどんな子なの?」

「とある家の、優秀なメイドですよ」

「メイド?」


 蘭々に乞われるまま、鈴木はユキの話を聞かせた。


 自分のブログのこと、

 ユキのブログのこと、

 そして『Bijou』での出会い。

 その後のメールをやりとりのこと……。



 なぜそんな風に話をする気になったのだろう。

 かつて味わったことのない心の動揺が、誰彼構わず救いを求めていたのだろうか? 



 蘭々だからかもしれない。


 かつて、たったひと目で自分の心を奪った初恋の相手の前では、今更恥じるものはなかったのかもしれなかった。


 理由はいずれにしても、蘭々に話した事で気持ちはだいぶ軽くなっていった。
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