無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
 そんな状態なので大石宙が『夢幻泡影』の宙である可能性も、
 そうでない可能性も、どちらも否定できない。


 そもそもよく考えてみれば、仮に宙が大石宙であっても、アネモネがユキであることを知らない大石に
 『リアルの私を知っているか?』と聞いたところでわかるはずもないのだ。



『アネモネさんがお爺ちゃんだったらボクは腰を抜かします。笑』


 クスッ


――私だって、宙さんがお婆ちゃんだったらちょっとビックリだ。


 クスクスッ


 ユキはスマートフォンを手にしばらく悩むと、考える間もない勢いで文字を打ち込んだ。

 そして悩む間もなくすぐに送信ボタンを押す。


『宙さんへ

 私も宙さんがボクと名乗るお婆ちゃんだったら絶句するしかありません。

 宙さん腰を抜かさずに済みそうですよ

 私はお爺ちゃんではありません、
 恋に悩むうら若き女性ですから 笑  アネモネ』






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