無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
「えっ それはまずいでしょ」
そんなオチなら、確かにそれは男が悪い。
そう思った途端興味を無くした鈴木は、それを話している女性がユキの友人の陽菜乃で、噂をしているヒドイ男が自分のことであるとは思いもよらず、
それから先の話は耳を閉ざし聞いてはいなかった。
でも……ふと、自分も彼女におやすみやおはようのメールをすべきだったのだろうか?
それが彼女の望みならそれくらいは出来たのに…… と、思った……。
メールなんかじゃなくて、せめて電話で声を聞きたかったが、
電話番号を教えたのにユキが電話をかけてこなかったのは、彼女のことだ、忙しい俺を気遣ったのだろう……。
だとすればなぜ、彼女は一方的に連絡を絶ったのか?
他の女と会ったわけでもない自分にはどこに非があったのだろう……。
そう思いながら、また一つため息をついた。
この数日でどれほど沢山のため息をついただろう……
西園寺常務が言った『死神に魂が抜き取られるみたいだな』 を笑って返せない、重くて暗いため息だ。