籠姫奇譚

「廓にいたのでしょう?だから汚らわしいと言ったの」


「……それでも、その廓に居た汚らわしい私を、遙さんは迎えてくださいました」


汚らわしい。

言われて当然なのは承知の上だ。

夜毎、知らない男と枕を交わし、身体を貪られて。

金で買われる女は、ただの商売道具でしかない。


「……」


蝶子の声は驚くほど冷たく、他人のようで。

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