籠姫奇譚

ぐっと口をつぐむ。

体が震えている。

震えて、しまう。



蝶子は、その場に崩れおちると、雨のようにしとしとと涙を流した。

声を上げることはなく、ただ、静かな雨のように。



< 13 / 94 >

この作品をシェア

pagetop