籠姫奇譚

珠喜に魅せられた者のうちに、一人の少年がいた。金の髪に青い目の少年だった。

少年は毎日こっそりと珠喜の姿を見に来ていた。

毎日顔を見ていれば不思議と情が移るもので、次第に珠喜は少年に興味を持つようになった。

ある日、少年が現れる夕暮れになると庭へ出て彼を待った。

そしていつもの時間、現れた少年に珠喜は微笑んだ。
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