瑠璃色の姫君




「あ、しりとり忘れてた。次なんだっけ?」



しりとりの続きを促すフリュイ。


次なんだっけ、ってパンツの話題にあんなに食いついてきたのに忘れたのかよ。



「僕がさっき、“パンツ”って言った」


「あ! そうだ、“つ” だった。つーつー…」



考える素振りをしていたフリュイが、突然後ろを振り返り、ピタリと動きを止めた。



「フリュイ?」



来た道一点を見つめるフリュイを不審に思い、僕はフリュイを覗き込んだ。



「……やばいよバベル」


「どうした?」


「国王に仕える騎士団の奴らがいるみたい」


「えっ!?」



フリュイの衝撃の一言に慌てた僕は、現状を知ろうと、その一点を見て目を凝らす。


そこには、シュトラントの紋章を腕につける紺色の騎士団が身につける制服が少し。



「……なんでいるんだ」


「バベル、ここで見つかった場合どうなるの?」


「もちろん、城に戻されることになる」


「ということは、旅の終わりを意味するってこと?」


「そういうこと」



僕の言葉に、フリュイはゾッとしたように顔を歪ませて僕に尋ねた。



「ガレットの店はまだ着かない?」


「いや、すぐそこだ」



視界に入るくらいの距離に、ガレットの店の屋根が見える。



「走るぞ、フリュイ!」




僕は、フリュイの腕を引っ張り、駆け出した。



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