瑠璃色の姫君





「へっ、バベル!?」



驚いたように振り返ったレティシアの姿に、僕は口をポカンと開けた。


純白のドレスに身を包む、女神のような美しい彼女に、言葉を失う。



「レティ……」


「うわぁ…バベル、カッコいい」


「え?」


「い、いや! 今の嘘だから! それより私の格好見て、何か感想はないの?」



朱を帯びた頬が、ぷくっと可愛らしく膨らむ。



「レティ、綺麗すぎるよ…!」


「きっ!?」



駆け寄り、ぎゅうっと彼女を抱きしめる。


膨らんだ頬は僕の言葉に驚いてすぐにしぼむが、頬の赤みはもっと濃くなる。



「世界一綺麗で可愛いよ!」


「なっ、そんなことっ」


「そんなことあるって! ね、みんな!」



彼女の身支度を手伝うために彼女に付いていた侍女が、ここぞとばかりに首を大きく上下に動かす。


その様子にまた照れた彼女は、むうっ、なんて言うからこれがまた可愛い。




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