チェロ弾きの上司。

「皆さん、お疲れ様でした」

「きゃー! 三神さん!真木さん!」
「お疲れ様でしたー!」
「素敵でしたー!」

三神さんと真木さん2人が揃ってあたしたち弦楽器女子のテーブルにやってきた。

心臓が飛び跳ねる。
うわぁ。困った。どんな顔すればいいのやら。

トイレに行こうとそっと席を立った……。



トイレから出ると、おや、通路に稲森君。

「モッチーさん、だいぶ飲んでたみたいですけど、大丈夫っすか?」

そういえばこの子も社会人一年目。
若さがまぶしい。

「へーき。今日はお疲れ様」

「はい。隣で弾かせてもらって勉強になりました」

「あはは、それはよかった」

「この後、オレ送っていきましょうか?」

「ふぁ?」

「何ていうか、今日泣いてるの見て、モッチーさんのことほっとけないっていうか」

ふぇ?
恥ずかしそうに笑う稲森君。
何じゃこりゃ。
1日に2人からとか。
突然のモテ期、来た⁉︎
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