チェロ弾きの上司。

「あー、あとは、抱きしめてキスしてセックスして、一緒に寝たい」

っ‼︎⁉︎
な、な、な、
何ですって⁉︎
いきなり具体的な話になったけど⁉︎

「そんなに驚くことかよ。好きなら当然だろ」

「……無理です……」

「はっ⁉︎」

「心臓、止まると思うので、無理です……」

「アホだな、お前……」

だって、今だってこんなにドキドキしてるんだよ⁉︎
前は数回、不意打ちで抱きしめられたけど、今みたいに甘い言葉と一緒に抱きしめられたら、心臓止まるよ!
そういう経験、ないもの!

「わかった。断るっていうんなら……」

真木さんは大げさにため息をついたけど、何故か楽しそうな口調だ。
嫌な予感がするよ。

「オレの目を見て言ってみ?」

ほら! 来たよ!

「……無理です……」

「なぜ?」

「見たら……最後です」

「ふぅん。オレの顔、苦手か?」

「…………」

「オレの告白を断るんだったら、きっちり理由つけて納得させてみろ」

言葉は厳しいのに、楽しそうで、もう、パニックだよ!

「顔だけじゃなくて、全体がかっこよくて、キラキラしてて、眩しすぎます! 抱きしめられたらドキドキしすぎて心臓止まります! キスとかその先とか、想像もできません!」

真木さんが、すっと立ち上がる。

……怒らせちゃった?
胸が痛い。
嫌われることが、怖い。
< 157 / 230 >

この作品をシェア

pagetop