チェロ弾きの上司。

「わかった。じゃあ、こうしよう」

真木さんが、あたしの後ろに回るのがわかった。
何何何っ⁉︎

うそっ。ちょっと待って!

逃げようとした時には、遅かった。

真木さんは、あたしの後ろに座って
長い脚であたしを両脇から挟み
長い腕をあたしの前に伸ばし
……後ろから、抱きしめた……。


「は、は、反則です……!」

「お前が顔見たくないっていうから」

だからといってこれは!

「どうだ? 心臓止まるか?」

「止まりそうです……」

「ふぅん。止まりそうでも、まだ止まらない、と。じゃあ、これは?」

真木さんが、あたしの耳元に唇を寄せたのがわかった。

とてつもなく嫌な予感がするけど⁉︎





ーーー「好きだ」





心に弦が張ってあったら。
ジャラン、とかき鳴らされたような感覚だった。




「どうだ、心臓止まったか?」

「……止まりましたので、勘弁してください」

「いい加減あきらめろよ。っていうか、認めろよ」

「何をですか⁉︎」
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