チェロ弾きの上司。

で、やってきたのは遅くまであいてるカフェ。
あたしとアカリンが頼んだのはパスタ単品。
アカリンは実家住まいだけど、パートさんだから、経済状況はあたしと似たようなものだ。

「練習は、土曜日に僕の家でやろうと思う」

三神さんちは一戸建て。
ご両親が亡くなってるから、おひとりで住んでらっしゃる。

「午前と午後、どっちがいい?」

「午後」「午後が……」「午後で」
3人揃って答えた。

「アカリン、仕事大丈夫なの?」
紳士服チェーン、土曜は休みにくいだろうに……。
「希望休出す。今月と来月だけだから何とかシフト調整する」

「それから、今回はこちらで誘ったので、乗り番代はこちらで負担します」
「いえ、そんなわけにはいきません」
「あたしたちも払います」
ホール使用料や広告宣伝費などは、出演団体で等分して負担する。
「いいんじゃね? 払ってもらえば」
「僕と真木で払うんだよ」
「まじか」
「ちなみに今日のここのお代も僕たちで持つからね」
「まじか!」
……漫才?
……っていうか、こんなにリラックスしてる真木さん、初めて見る。

「2人はカルテットやったことある?」

あたしは首を横に振る。
アカリンは「何回かあります」と答えた。
うわー、あたしだけ初めてなのか。

「初回は来週の土曜日。夜に結成記念で鍋パーティでもやろう?」

「いいな! オレ蟹食いたい」

……セレブめ。
大丈夫なのかな、このセレブ男子と一般女子の組み合わせ。


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