さくらの花が舞う頃に




「吉澤先生~。それは勘弁してくれよ~」
 


「そんなん知らねーし。俺が決めたわけじゃないんだから」



男子が情けない声を出しても先生は冷たく突き放す。



そのあとホームルームが終わっても、クラスはテストの話題で持ちきりだった。



「もうやだよー!ただでさえ勉強してないのに」



メグはもう半泣き状態。



「大丈夫、大丈夫。勉強してないのは私も同じ」



その横で、佳奈が慰めにならない慰めをする。



だけど、決して他人事じゃない。



私も受験生。




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