さくらの花が舞う頃に




隣の女子がそうつぶやいた。



いや、いけなくもないとか何言ってんの。



先生と生徒の恋なんていけないに決まってんじゃん。



そう言いたかったけど、心の中に封印する。



「だけどさ。あんな若いのに、大事な時期の3年の担任を持つってことは、実力のある先生なのかな?」



反対側にいた隣の女子の言葉に、なるほど…………と納得しそうになったけど。



壇上でつまらなさそうに生徒を見つめているアイツが実力のある先生だなんて、到底思えない。



学年問わず、女子生徒たちに未だにキャーキャー言われてるアイツ。



面倒くさそうにそれを見つめているけど、実際は心の中でニヤニヤしているに違いない。




< 18 / 463 >

この作品をシェア

pagetop