大人の恋は波乱だらけ!?
夢を諦めた女
社会人のオアシス。
花の金曜日と呼ばれる今日、私は会社のメンバーと飲みに来ていた。

騒ぐ事が好きではないため基本飲み会には参加したくないのだが、断れない性格の私は2次会にまで参加せざるを得なかった。
お洒落なバーでカルーアミルクを飲みながら社員たちの話に軽く混ざる。


「葉月ちゃん!
今回の作品も良かったよ!売り上げも好調だって!」

「本当ですか?
ありがとうございます」


向かいに座っていた先輩が笑顔で話しかけてくれる。
酔っているのか頬を紅く染めながら危うい手つきでグラスを口元に運んでいた。

皆いい人たちなのだが、どこか疎外感を覚えてしまうのは私の立場上だろう。


私、桜木 葉月(さくらぎ はづき)23歳は、大学を卒業して大手ゲーム会社と言われる“株式会社星輝(せいこう)”に入社した。

一応、正社員でココにいる商品企画開発部のメンバーである。
しかし、皆と少し違うのは私は専属契約のシナリオライターであるという事。

昔から小説家志望だった私は、独学で勉強をしてきたが人生はそんなに甘くはない。
コンクールに出しても落選してばかりだった。
でも、小説がキッカケで今私はココにいるのだ。
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