大人の恋は波乱だらけ!?
すれ違いの生活に終止符を
あれから2週間が経ったが私と昴さんの気まずい関係は戻る事はなかった。
と、言うよりはあれから顔を合わせていないのだ。

私は私で仕事が忙しく帰るのが夜遅くになってしまい、昴さんは昴さんで小説の事や、女性関係の事で忙しくしていた。
だからか、同じ家に住んでいるのに一目も見る事がない。

ご飯だって全く作れていない。
昴さんにはLINEで許可を取ったが、正直これでいいのかと思ってしまう。

今日こそはきちんと作ろうと思っていても、中々上手くいかない日が続いている。
何故なら、【大人の恋愛】ゲームの予告映像を作っているからだ。
その予告も私が担当していて、会議や書類作りでてんてこ舞い状態だ。

大まかなストーリーとキャラは決まったから作れるには作れるが、予告といえば作品の顔ともいえるものだ。
作品とのギャップがあったら大問題だ。
例えば、予告は面白そうだけど中身は全く面白くないモノ。
中身は面白いのに、予告でその良さが伝えられず売れ行きが伸びないモノ。
など、あげればキリがないが予告で売れ行きが大きく変わると言っても大袈裟なんかじゃない。

そのプレッシャーに押しつぶされそうになりながら仕事へと取り組んでいるせいで、家事にまで手が回らないのだ。


「……今日こそは早く帰れるように頑張ろう」


気合いを入れる様にパンと頬を両手で叩く。
オフィスの自分のデスクで再びパソコンに手を伸ばそうとすれば誰かが私の名前を呼んだ。


「桜木さん!!少しチェックお願いできる!?」

「分かりました!直ぐに行きます!」


先輩に呼ばれて急いで向かう。


「予告に流す音楽はどういった系がいいとかあるか?」

「そうですね……。
音楽を聴いただけでそのゲームの特徴が分かるようにしたいので……」


細かなやり取りをしていれば、別の先輩に呼ばれてしまう。


「こっちはもう大丈夫!
桜木さんも大変だと思うけど頑張ってな!」

「はい!!先輩も無理しすぎないようにしてくださいね!」


頭を下げて私は先輩のデスクを後にする。
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