大人の恋は波乱だらけ!?
「こ……これ……」


震える手でグラスを持てば高梨部長はクスッと笑って私の手を覆う様に自分の手を重ねた。


「サプライズは成功したかな?」

「サプライズって……」

「前はサラッと言ってしまったからな。
ちゃんと伝えたかったんだお前に俺の気持ちを」


そう言って高梨部長はグラスの中から指輪を取り出してハンカチに乗せる。
優しく水滴を拭い取り私に視線を向けた。

声も出せずに固まる私の左手を取り上げ、流れる様に薬指に指輪をはめた。


「俺はお前が好きだ。この先もずっと葉月を愛し続けると誓うよ」

「た……高梨部ちょ……」

「俺を選んで欲しい」


私の左手を包み込んだまま彼は視線を交じり合わせた。

人生初のプロポーズ。
同じ人に2回もされて嬉しくない訳がない。

それが大好きな高梨部長なら尚更……。

激しく脈を打つ心臓に負けず私は彼を見つめた。


「私……」
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