雪国ラプソディー
下された突然の命

「え?私がですか?」


週明けの月曜日、午前9時半ちょっと過ぎ。
大体の会社がそうだと思うけれど、ここ『マナカ商事』も仕事が段々と回り始める時間帯だ。

私、浅見菜々子(あさみ・ななこ)は、マナカ商事に入社、そして本社総務部秘書課に所属して3年目になる。秘書課と言っても、よくドラマで放送されているような豪華絢爛な女の園とは程遠い。

至って平和な部署なのだ。
いつもは。
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